ComfyUIで利用できる音楽生成AI「MiniMax Music 3」を、実際にローカルPCへ導入して試してみました。
今回検証したのは、主に次の内容です。
- MiniMax Music 3はどの程度のPC環境で動かせるのか
- ComfyUI Portableへの導入とアップデート方法
- GeForce RTX 5070 Ti 16GBでローカル生成
- FP16版とINT8版の生成速度・音質比較
- 60秒・120秒・180秒での生成
- max_durationを変えたときの曲の終わり方
- FP16とINT8を同一条件で生成して機械的に比較
- 女性ボーカル・幻想民族音楽の生成
- ゲームBGM用のInstrumental生成
- ACE-Step 1.5XLと使い比べた印象
先に結論を書くと、歌ものを生成する用途では、現時点ではACE-Step 1.5XLよりMiniMax Music 3の方を気に入っています。
特に女性ボーカル、多重コーラス、曲全体のまとまりがかなり良く、Seedを大量に厳選しなくても「普通に1曲として聴ける」結果が出やすい印象です。
また、INT8版の品質も非常に高く、今回FP16版と同一条件で比較したところ、聴感上だけでなく機械的な解析でも非常に小さな差しか確認できませんでした。
一方で、純粋なゲームBGM用途では少し癖もありました。
- MiniMax Music 3はどれくらいのPC環境から動かせる?
- 今回の検証環境
- ComfyUIを更新するとMiniMax Music 3のテンプレートが追加された
- 公式テンプレートではFP16 DiTが選択されている
- まず60秒を生成してみる
- 女性ボーカル+幻想民族音楽を生成
- 実際にMiniMax Music 3で生成したサンプル曲
- Lyrics内の説明文を歌ってしまうことがある
- 120秒を指定しても120秒に合わせて曲を縮めない
- max_durationは「曲の長さ」ではなく最大生成時間と考える
- 長尺生成ではメモリ使用量がかなり増えた
- INT8 DiTを追加して比較
- INT8の方が生成時間は短かった
- FP16とINT8を全く同じ条件で生成
- 現在はINT8を常用することにした
- ゲームBGMを作ろうとすると謎のハミングが入った
- Lyricsを空欄ではなく[instrumental]に変更
- [instrumental]でも100%歌わないわけではなかった
- ACE-Step 1.5XLとMiniMax Music 3、どちらが良かったか
- 現時点では「歌ものはMMM3、通常BGMはACE-Step」が使いやすそう
- まとめ
MiniMax Music 3はどれくらいのPC環境から動かせる?
新しいローカルAIモデルを見つけたとき、個人的に最初に気になるのが「そもそも自分のPCで動くのか?」という点です。
MiniMax Music 3はかなり大きなモデルです。
公式のHugging Face Diffusers実装では、フル構成をbfloat16で動かす場合は約23GBのVRAMが必要とされています。
一方でCPUへのオフロードやLanguage Modelのgroup offloadingを利用することで、VRAM 8GB程度にも収められる構成が案内されています。ただし、これはメモリとGPU間の転送が増えるため、当然ながら生成速度とのトレードオフがあります。
また、この8GBという数字はDiffusersで強いオフロードを使用した場合の話で、今回この記事で使用しているComfyUI標準テンプレートとまったく同じ条件ではありません。
ComfyUI版ではINT8 ConvRotモデルとDynamic VRAM Loadingが利用できるため、フル精度モデルを常時VRAMへ載せる場合より柔軟に動作します。
今回実際に使用した環境は、
- GPU:GeForce RTX 5070 Ti 16GB
- VRAM:16GB
- システムRAM:32GB
です。
この環境では、INT8 DiTを使うことで120~180秒程度の楽曲生成を実用的に行えました。
| GPU VRAM | 目安 |
|---|---|
| 8GB前後 | 公式Diffusersでは強いオフロードを使えば動作可能。ただしComfyUIでの快適な運用は未検証で、生成速度もかなり遅くなる可能性あり |
| 12GB前後 | INT8+オフロードで動作する可能性はあるが、この記事では未検証。RAM容量や生成時間の影響が大きそう |
| 16GB | 今回実際に検証。INT8ならかなり現実的な運用が可能 |
| 24GB以上 | FP16を含めて余裕を持たせやすい。長尺生成や他モデルとの併用にも有利 |
システムRAMについては、32GBは欲しいというのが今回の実測からの印象です。
後述しますが、FP16で180秒級の生成を試した際には、Windows全体のメモリ使用量が約27GBまで増えました。
そのため、VRAMが16GBあってもRAMが16GBしかない環境では、オフロード時にかなり厳しくなる可能性があります。
長尺生成を多用するのであれば、RAM 64GBに増やすメリットもありそうです。
まとめると、最低環境を狙えばもっと下でも動かせる可能性はありますが、ComfyUIで普通に使うことを考えるなら「VRAM 16GB+RAM 32GB」あたりが一つの実用的な目安だと感じました。
今回の検証環境
- OS:Windows 11
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti 16GB
- システムメモリ:32GB
- ComfyUI Windows Portable
- MiniMax Music 3
- Text Encoder:INT8 ConvRot
- DiT:FP16 / INT8 ConvRotを比較
- VAE:MiniMax Music 3 DAV
ComfyUIは以前から画像生成やACE-Step 1.5などで使用しているPortable環境をそのまま使用しています。
ComfyUIを更新するとMiniMax Music 3のテンプレートが追加された
最初にMiniMax Music 3を試そうとした時点では、「Workflow Templates → Audio」を開いてもMiniMax Music 3が表示されていませんでした。
原因はComfyUI本体のバージョンが古かったことでした。
ComfyUIを更新したところ、AudioカテゴリにMiniMax Music 3の公式テンプレートが表示されるようになりました。

ComfyUI Windows Portableの更新方法
Windows Portable版の場合は、ComfyUIを終了してからインストール先のupdateフォルダを開きます。
標準的な構成なら、次の場所です。
ComfyUI_windows_portable
└─ update
├─ update_comfyui.bat
├─ update_comfyui_stable.bat
└─ update_comfyui_and_python_dependencies.bat
通常は、まず次のファイルをダブルクリックしてStable版へ更新するのが無難です。
update_comfyui_stable.bat
最新の開発版へ更新したい場合は、
update_comfyui.bat
を使用します。
MiniMax Music 3のように追加されたばかりの機能がStable版にまだ入っていない時期であれば、こちらが必要になる場合があります。
一方、
update_comfyui_and_python_dependencies.bat
はComfyUI本体だけでなくPython依存関係まで再インストールする強い更新方法です。
PyTorchなどの依存関係も変更され、導入済みCustom Nodeとの互換性に影響する可能性があるため、通常のアップデート目的でいきなり実行するのはおすすめしません。
依存関係の問題を修復する必要がある場合などに使用するのがよさそうです。
更新後はComfyUIを再起動します。
Workflow Templatesが更新されない場合は、ブラウザ側に古い画面が残っていることもあるため、Ctrl+F5で強制再読み込みしてから再度Audioカテゴリを確認します。
今回の環境では、この更新後にMiniMax Music 3が表示されました。
公式テンプレートではFP16 DiTが選択されている
MiniMax Music 3のテンプレートを開くと、私の環境では次のモデルが提示されました。
minimax_music3_dit_fp16.safetensorsminimax_music3_text_encoder_pruned_int8_convrot.safetensorsminimax_music3_dav.safetensors
つまり標準テンプレートは、DiTはFP16、Text EncoderはINT8という組み合わせです。
RTX 5070 TiはVRAM 16GBなので最初からINT8 DiTを使うことも考えましたが、まずは公式テンプレート通りのFP16を基準に試してみました。
まず60秒を生成してみる
最初の60秒生成は問題なく成功しました。
ログ上の処理時間は次の通りです。
[INFO] Prompt executed in 89.50 seconds
60秒の音楽を約90秒で生成しています。
少なくとも私のRTX 5070 Ti 16GB環境では、FP16版そのものは問題なく動作しました。
女性ボーカル+幻想民族音楽を生成
次に試したのが、MiniMax Music 3の歌唱能力を見るための、かなり欲張った構成です。
- 幻想的な女性ボーカル
- 民族音楽
- 木管・ハープ・ダルシマー
- 女性多重コーラス
- 儀式的な雰囲気
- 曲後半で大きく盛り上がる構成
これが予想以上に良い結果でした。
女性ボーカルが明確で、コーラスにも厚みがあります。
単に「AIが歌っている」というだけではなく、アレンジ、歌唱、曲全体の展開まで含めてかなり完成度が高い印象です。
このタイプの歌ものについては、現時点ではACE-Step 1.5XLよりMiniMax Music 3の方が好印象でした。
実際にMiniMax Music 3で生成したサンプル曲
記事用に、MiniMax Music 3で幻想民族音楽+女性ボーカル+多重コーラスという構成のサンプル曲を生成してみました。
このサンプルは、下記PromptとLyricsを設定して最初に生成された1曲をそのまま掲載しています。
良いSeedが出るまで何十回も生成したものではありません。
もちろんSeedによる当たり外れはあると思いますが、特に厳選しなくてもこの程度の完成度の曲が生成された点は、MiniMax Music 3のかなり良いところだと感じました。
サンプル曲の設定
- DiT:
minimax_music3_dit_int8_convrot.safetensors - Text Encoder:
minimax_music3_text_encoder_pruned_int8_convrot.safetensors - VAE:
minimax_music3_dav.safetensors - max_duration:180秒
- tiled_decode:true
- 掲載音源:MP3
Promptは次のものを使用しました。
Global Metadata:
Genre: ethereal fantasy folk, mystical ritual world music, melodic fantasy vocal soundtrack.
BPM: approximately 96.
Meter: flowing 6/8.
Key and harmony: D minor with Dorian modal colors, warm and mysterious rather than dark.
Mood: sacred, ancient, dreamlike, emotionally uplifting, gently dramatic.
Listening scenario: a featured fantasy vocal piece suitable as a showcase sample for a game music generation article.
Production profile: rich organic fantasy arrangement, spacious sacred hall ambience, clear lead vocal, layered female choir, strong melodic identity.
Create a complete vocal song that ends naturally before the maximum duration.
Do not rush the song, but do not leave it unfinished.
The final section must clearly resolve and end musically.
Vocal style:
A clear adult female soprano lead vocal.
The lead begins soft, intimate and slightly breathy.
As the song develops, the vocal becomes brighter, fuller and more emotionally expressive.
Use layered female backing vocals and a soft multi-layered female choir in the chorus.
The choir should support the lead, not overpower it.
Arrangement:
Primary instruments:
wooden flute, Celtic harp, hammered dulcimer, soft frame drum, warm bowed strings, subtle drone, light bells.
Begin with a short mystical instrumental opening.
Then move into a verse with intimate lead vocal and sparse accompaniment.
The first chorus should expand with wider strings, stronger rhythm and layered female harmonies.
The bridge should feel sacred and mysterious, briefly reducing then rebuilding energy.
The final chorus should be the emotional peak, with fuller choir, stronger strings, richer percussion and a memorable melodic lift.
After the final chorus, transition directly into a short outro.
Do not introduce a new section after the final chorus.
Ending:
The song must end clearly and gracefully.
Use a short outro with reduced instrumentation, sustained choir support and a soft final harmonic resolution.
Finish with a natural final chord and lingering hall reverb.
Do not cut off abruptly.
Do not sing bracket labels or section names.
Style guidance:
The result should feel like a polished fantasy vocal piece suitable for demonstrating the strengths of MiniMax Music 3:
beautiful female lead vocal,
rich emotional phrasing,
organic fantasy instrumentation,
and elegant layered choir.
Avoid:
modern EDM,
aggressive rock,
heavy electronic bass,
shouted vocals,
comic vocals,
novelty sounds,
or abrupt stylistic changes.
サンプル曲のLyrics
[Intro]
Aeria...
Lumia sael...
Ena rei...
[Verse]
眠る森を 風が渡り
名もない星が 水辺に灯る
遠い祈りの 欠片を抱いて
私は静かに 扉をひらく
Aeria noel
Saria lume
ひそかな声が
夜を越えて響く
[Chorus]
Aeria, aeria
光よ 空へ舞い上がれ
Lumia, lumia
この想いを照らして
Aeria, aeria
失くした夢を呼び覚ませ
Lumia, lumia
新しい朝へ導いて
[Bridge]
Ena sael
Lumia rei
静かな願いは
まだ消えない
Saria noel
Aria falen
胸の奥で今
歌になる
[Chorus]
Aeria, aeria
光よ 空へ舞い上がれ
Lumia, lumia
この世界を照らして
Aeria, aeria
遠い未来へ届くように
Lumia, lumia
新しい朝を迎えて
[Outro]
Aeria...
Lumia sael...
Ena rei...
Aeria...
Lyrics内の説明文を歌ってしまうことがある
サンプル曲とは別の検証では、Lyricsの構造タグに演出内容まで書き込む方法も試しました。
例えば、次のようなタグです。
[Outro - no new section, slowing down]
ところが、ある生成結果では曲の最後で「Outro – no new section, slowing down」自体を歌詞として歌ってしまいました。
通常の[Verse]や[Chorus]などは構造タグとして処理されていたため、説明文を追加した独自形式が歌詞として解釈された可能性があります。
そこで現在は、Lyricsには、
[Intro]
[Verse]
[Chorus]
[Bridge]
[Outro]
のような単純な構造タグだけを書くようにしています。
「どのように歌うか」「どのように終わるか」といった演出指示はPrompt側へ移しました。
上で掲載しているサンプル曲も、この方式で生成しています。
120秒を指定しても120秒に合わせて曲を縮めない
次に気付いたのがmax_durationの挙動です。
max_duration = 120で生成した際、曲は120秒に合わせて構成を圧縮せず、歌詞の途中で突然終了しました。
ACE-Step 1.5では、指定した時間内になんとか曲を終わらせようとしているように感じることがあります。
MiniMax Music 3はかなり性格が違います。
そこで120秒用に歌詞を短くして、
- Intro
- Verse
- Chorus
- Bridge
- Final Chorus
- Outro
まで120秒に収まりそうな構成へ変更しました。
それでもFinal Chorusの途中、「世界の果てまで響け」という位置で120秒になり、そのまま終了しました。
このときのログは、
[INFO] Prompt executed in 199.46 seconds
でした。
max_durationは「曲の長さ」ではなく最大生成時間と考える
ここで試しに、120秒用に短くした同じPromptとLyricsのまま、max_durationだけ180秒へ変更しました。
すると非常に興味深い結果になりました。
生成された曲の長さは、
2分47秒(約167秒)
です。
180秒いっぱいまで生成されるのではなく、約167秒でOutroまで到達し、自然に終了しました。
生成時間は、
[INFO] Prompt executed in 304.64 seconds
でした。
この挙動を見る限り、MiniMax Music 3のmax_durationは、
「180秒の曲を作る」ではなく「最大180秒までは生成してよい」
と考えるのが分かりやすいです。
曲に167秒必要なら、120秒上限では途中で切れる。
180秒まで許可すると、167秒でモデル自身が曲を終了する。
そのためMiniMax Music 3では、希望時間ギリギリをmax_durationに指定するより、ある程度余裕を持たせた方が自然に完結しやすそうです。
長尺生成ではメモリ使用量がかなり増えた
180秒生成を試した際には、Windowsのタスクマネージャー上でかなりメモリを使用していました。
生成後の状態では、
- システムRAM:約27.0GB / 31.8GB
- 専用GPUメモリ:約7.7GB / 16GB
- 共有GPUメモリ:約10.3GB / 15.9GB
となっていました。
生成が終了しているにもかかわらず使用量が大きかったため、最初はメモリリークも疑いました。
そこでComfyUIからモデルと実行キャッシュをアンロードしました。
すると、
- システムRAM:約27GB → 約15GB
- 専用GPUメモリ:約7.7GB → 約1.2GB
- 共有GPUメモリ:約10.3GB → 約0.2GB
まで下がりました。
そのため今回については、メモリが解放できなくなっていたというより、ComfyUIがモデルや実行キャッシュを保持していたと考える方が自然です。
長尺生成を繰り返した後にRAM使用量が気になる場合は、一度モデルと実行キャッシュをアンロードするとよさそうです。
INT8 DiTを追加して比較
FP16でも動作しましたが、RTX 5070 Ti 16GB+RAM 32GBでは長尺生成時のメモリ使用量がかなり大きくなります。
そこで、
minimax_music3_dit_int8_convrot.safetensors
も追加しました。
実際に普段使用しているINT8設定がこちらです。
Text Encoderは元からINT8版、VAEも同じものを使用しています。
変更するのはDiTだけです。
FP16
minimax_music3_dit_fp16.safetensors
INT8
minimax_music3_dit_int8_convrot.safetensors
モデル選択欄から簡単に切り替えられます。
INT8の方が生成時間は短かった
まずSeedが異なる状態ではありますが、同じ180秒上限付近の生成で比較したところ、
- FP16:304.64秒
- INT8:225.87秒
となりました。
INT8の方が明らかに短時間で終了しています。
ただしSeedが違えば実際の曲長やモデルが生成する内容も変わるため、この時点では厳密な性能比較とは言えません。
そこで次に、Seedを含む設定を完全に揃えて比較しました。
FP16とINT8を全く同じ条件で生成
比較条件は次の通りです。
- Prompt:同一
- Lyrics:同一
- Seed:同一
- max_duration:同一
- Text Encoder:同一
- VAE:同一
- tiled_decode:同一
- DiTのみFP16 / INT8で変更
最初に普通に聴き比べた時点で、FP16とINT8の差はほとんど分かりませんでした。
それなりのDACとヘッドホンを使用して確認しても、驚くほど似ています。
そこでFLACで保存した2曲をPCMまで展開して機械的にも比較しました。
再生時間
- INT8:105.790秒
- FP16:105.790秒
完全に同じ長さです。
波形相関
- Left:0.999714
- Right:0.999689
- Stereo全体:0.999702
1.0が完全一致なので、非常に高い相関です。
FP16-INT8の差分
差分信号のRMSは約、
-50.2dBFS
でした。
周波数スペクトル
スペクトル相関は約、
0.999976
でした。
帯域ごとの差も最大でおよそ±0.04dB以内でした。
完全に同じデータではありません。
しかし少なくとも今回のテストでは、通常のリスニングでFP16とINT8を聞き分けるのはかなり難しいという印象と、機械的な解析結果が一致しました。
現在はINT8を常用することにした
今回の結果から、私の環境では今後MiniMax Music 3は基本的にINT8を使用することにしました。
理由は、
- FP16より生成が速い
- メモリ負荷を抑えやすい
- 今回の比較では音質差が非常に小さかった
- 同一Seedなら曲の構成そのものもほぼ同じだった
ためです。
もちろん別のPromptや曲調では差が大きくなる可能性もあります。
しかしRTX 5070 Ti 16GB環境で普段使いするなら、INT8はかなり魅力的な選択肢だと感じています。
ゲームBGMを作ろうとすると謎のハミングが入った
歌ものの出来がかなり良かったため、次にゲーム用のInstrumental BGMも試してみました。
作ろうとしたのは、幻想的な森を探索するRPG用BGMです。
最初のBGMテストではLyricsを空欄にして、Prompt側へ、
No vocals.
No singing.
No chanting.
No choir.
No spoken voice.
No vocal-like syllables.
など、人声をかなり強く禁止する指示を入れました。
ところが完成曲では、
「わんちー、わんちー♪」
のような謎の歌声・ハミングが入りました。
Seedを変更して2曲試しても同様です。
Lyricsを空欄ではなく[instrumental]に変更
その後、MiniMax Music 3では[instrumental]という構造タグが使えることが分かりました。
そこでLyricsを空欄にするのをやめて、
[instrumental]
だけを入力。
さらにPrompt側の人声に関する大量の否定文を削除し、
Fully instrumental.
という単純な指定へ変更しました。
すると異なる2つのSeedで試しても、完全に声の入っていないInstrumental曲が生成されました。
否定形で「vocal」「singing」「choir」などを大量に書くこと自体が、逆に人声という概念をモデルへ強く意識させていた可能性もあります。
[instrumental]でも100%歌わないわけではなかった
これで解決したと思ったのですが、生成されたBGMが少し壮大すぎたため、さらに小編成で控えめな探索BGMへPromptを変更しました。
Lyricsは引き続き、
[instrumental]
です。
ところが今度は、曲の最後の方で突然歌い始めました。
そのため私が試した範囲では、
[instrumental]+Fully instrumental.で歌声が出る確率はかなり下がるものの、完全に保証されるわけではなさそう
という結果になりました。
MiniMax Music 3でも純粋なInstrumental曲自体は生成できます。
ただし、ゲームBGMを大量に作る場合には毎回「声が混入していないか」を確認する必要がありそうです。
ACE-Step 1.5XLとMiniMax Music 3、どちらが良かったか
まだ試した曲数は限られていますが、両方を使った印象はかなり異なります。
MiniMax Music 3が良いと感じた部分
- 女性ボーカルが自然
- 歌ものの完成度が高い
- 多重コーラスがかなり良い
- 曲全体の展開が自然
- 長さに余裕を持たせれば自分で自然にOutroまで進める
- INT8でもFP16との差が非常に小さかった
- Seedを大量に厳選しなくても比較的完成度の高い曲が出た
特に、
「完成した1曲をそのまま出してくる能力」
はかなり高い印象です。
ACE-Step 1.5XLが良いと感じる部分
- 指定秒数を意識して曲をまとめやすい
- Instrumental用途が扱いやすい
- 通常のゲームBGMを作りやすい
- Stepsなどの生成パラメータを細かく調整できる
- CoverやRepaintなど制作ツールとしての自由度が高い
- 実験や微調整を繰り返しやすい
MiniMax Music 3が、
「かなり腕の良い作曲家・編曲家・歌手に曲を任せる」
タイプだとすると、ACE-Step 1.5XLは、
「音楽生成エンジンを自分で細かく操作する」
タイプに近い印象です。
現時点では「歌ものはMMM3、通常BGMはACE-Step」が使いやすそう
今回の検証だけで最終結論を出すにはまだ早いですが、私は当面、次のように使い分けようと思っています。
主題歌・挿入歌・キャラクターソング
MiniMax Music 3
フィールド・街・ダンジョンなど通常のゲームBGM
ACE-Step 1.5XL
MiniMax Music 3でも完全なInstrumentalは生成できます。
しかしゲームBGMでは、一度でも突然「だ~だ~♪」と歌い始めると、そのままでは使用できません。
逆に、
- タイトル曲
- エンディング
- 重要イベント
- 儀式シーン
- コーラス入りのボス戦
- キャラクターソング
など、人声そのものを活用できる場面ではMiniMax Music 3の特徴が大きな強みになりそうです。
まとめ
今回ComfyUIでMiniMax Music 3を実際に試して、一番驚いたのはローカルで動作する音楽生成AIとしての完成度の高さでした。
特に歌ものはかなり良いです。
女性ボーカル、多重コーラス、民族楽器、曲全体の展開など、かなり複雑な指定をしても1曲としてまとまりやすく感じました。
またINT8版についても、今回の実測ではFP16との差が非常に小さく、RTX 5070 Ti 16GB環境で常用するならINT8がかなり有力だと判断しました。
一方で注意したいのがmax_durationです。
max_durationは「この長さの曲を作る」という意味ではなく、「ここまで生成してよい最大時間」と考えると挙動が理解しやすいです。
120秒に設定しても、本来167秒程度必要な曲を120秒へ圧縮してくれるわけではありません。
必要なら180秒程度まで余裕を持たせ、モデル自身が自然に曲を終えるのを待つ方が良い結果になりました。
またInstrumentalについては、Lyricsを空欄にするより、
[instrumental]
を入れ、Prompt側を、
Fully instrumental.
のようにシンプルにした方が明らかに成功率が上がりました。
ただしSeedやPromptによっては、それでもハミングや歌声が混入する場合があります。
現時点で私が感じている使い分けは、
歌ものならMiniMax Music 3、通常のゲームBGMならACE-Step 1.5XL。
です。
MiniMax Music 3はまだ使い始めたばかりなので、今後もシティポップ、ゲーム主題歌、戦闘曲など、いろいろ試してみたいと思います。


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