香川県ネット・ゲーム依存症対策条例に物申す

どうも管理人です。
最初に私は香川県民ではございません。香川県外から失礼します。
さて今回は2020年3月18日に香川県議会で可決された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」について時系列を追いながら、都度好き勝手に物申していきたいと思います。

まず初めにこの条例をやろうと言い出した人は誰?

香川県議会の議長を務める大山一郎さんが言い出しっぺの模様。そしてその理由は、「当時、小学生だった娘が友達と部屋に閉じこもりテレビゲームに没頭していたこと」に驚いたから、との事。いやーこれを見てそんなことで驚いた事にこっちが驚きました。事細かに状況が書いてあるわけではないので細かいことはわかりませんが、この文章からはいたって普通の事にしか思えない。もっと具体的に「友達と部屋に閉じこもったまま寝食も忘れ、部屋から丸一日出てこなかった」みたいな話ならそれは驚かれるとは思いますが多分違うでしょ?いたって普通の出来事なのに「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」 なんて言い出してしまう大山一郎さんは親をゲームに殺されてしまったのかと心配になります。
もう一つはWHOのゲーム依存症の件を取り上げ追い風としているようですが、根本的な理由は前述のものと思われます。

怪しさ満点のまま可決された件

本会議に入る前にパブリックコメントを募集しており、その数2700件近くも集まったとあります。普段香川県のパブリックコメントはこれほど多くの数は集まらないそうで、これだけもすでに何やらきな臭い感じ。百歩譲ってそれだけ注目度の高い内容だったからとしても「票の8割が賛成」は流石に多すぎると感じますし、組織票があったのではないかと普通は勘繰りますよね。以下がその内訳。

パブリックコメント数 不自然に多い賛成票

しかも検討委員会ではパブリックコメントの詳細は公開されず、一部を抜粋した概要資料しか示されなかったとの事。以下がその概要資料。

採決前に公表された一部抜粋されたパブリックコメントの概要資料

折角なので、賛成意見に物申していこうと思う。
01 何を持って「平日学校から帰って就寝時間22時としてゲームに割ける時間はどう考えても1時間程度」としているのか。
うちの子供達は夜20時から21時の間には就寝しているが、朝6時ぐらい(もっと早いときも稀にあるが)に起床して登校する7時30分の間だけだけでも、食事や身支度が順調にいけば朝だけでも1時間近くゲームをしていますよ?色々な情報に触れるのは私も大事だと思うが、今の時世ではネットやゲームに費やす時間が1日1時間は流石に無理があると思う。
02 「親や社会と決めたルール、大人たちが子供たちの手本となるように、社会のルールをを守っていく姿を子供たちに示していかなければならない思う。」
何故家庭内でのゲームをする時間を決めるのに社会が出てくる必要があるのか。家庭内のルールもきちんと決められない親の情けない姿は子供達には見せたくないものですね。
03 「小学校4年生と中学1年の兄弟で一日60分と決めている。お互い譲り合って時間をうまく使っていると思う。」
決めつけで申し訳ないがこれは嘘でしょう。お互い譲り合ってとの文言から協力プレイでないとすると60分を分け合って二人でプレイしていることでしょう。丁度半分にして30分で満足にできるゲームがどれほどあるか。兄が弟のプレイ時間を奪い仲が悪くなる恐れあり。それか親の気づかないところでこっそりゲームしてますよ。みまもりswitch使ってますか?短時間でもプレイできる脳トレやリングフィット辺りなら何とかなりそうだが、実際に何のゲームを遊んでいるのかその親に聞いてみたいものである。RPGとか下手したらムービーだけでも30分とか。(おっとキングダムハーツ3の悪口はそこまでだ)
04 「③ネット・ゲーム事業者による積極的なネット依存症対策がみられない」
ここに出てくる親たちは他力本願な人たちばかりなのだろうか。自分でどうにかしようと思わないのか。もうこれ以上子供にネットを使わせたくないと思ったらルーターの電源を抜くなり、プロバイダーを解約するなりすればいいので?自分でどうにもならない、やり方がわからないからって人を巻き込むことには何とも思わないのか。ゲームがそんなに危ないと思うならまず自衛をしろよと。
05 「しっかりと考えるべきだと思う」
しっかりと議論もされないでスピード可決される、ネット・ゲーム依存対策条例というものがありまして。もっとしっかりと考えて議論してからきめるべきことだと思いまぁーす。
06 「家庭内規制に苦労している」
この一言が全てを表している。苦労している根本的原因は何か。子供の力が強く、親の言うことを聞かない?威厳の無い親で子供を説得できない?子としてこれほど心許ないものはない。

これらを見て総じて、ネットやゲームに対して理解や知識のない人達。(または普段殆どネットやゲームを扱っていない人達)そして、親として何とも情けない人達の意見と感じた。

とこのような情けない意見の概要だけの開示となっており、賛成意見の概要は1ページに対し反対意見の概要は80ページ以上に及ぶボリュームがあったそうですが、内容については完全スルーされています。詳細を見られると何かマズイことでもあるのでしょうか。更に委員に対して全てを条件付きで開示するとのこと。以下がその条件。

ツッコミどころしかない開示条件

メモしちゃダメ、人に話したらダメ、閲覧できる期間も結果が出た後の短い時間だけ。もうね、臭い物には早く蓋をしたいって自分で言っているようなものでしょう。
結局反対する議員もいる中でパブリックコメントの反対意見などは全く耳もかさずに、ネットやゲームに疎い議員の多数決でゲーム依存対策条例は可決されてしまいました。

そのような中でこのような動きも

条例可決後、表立った動きとしてはTRPGオンラインセッションソフト「どどんとふ」では、簡単に説明するとこのサービスでは条例守れないし、守る気もないから香川県民は利用しないでねと、この条例に対するアンチテーゼと思われる文章をトップページに記載。また別のところでは、オンライン対戦ゲームなどで対戦した相手に対する煽り文句として「ゲーム下手すぎ、香川県民か?うどんでもこねてろ」なんてものが出てきてしまう始末。香川県のゲーマーは何も悪いことしていないのに被害を被ることとなっていた。

結局公開されたパブリックコメント

それから暫く経った4月13日、あまりにもやり方がマズく多方面から指摘されたからか、香川県の地元メディアにパブリックコメントの全てが公開されました。その中身は多数のコピペ文章(誤字や脱字も同じ)、送信時刻も同じ日の同じ時間帯に多数寄せられていたりと良くもまぁ公開できたなと思わせるお粗末過ぎる内容だった。

色々と酷すぎる香川県議会

更に4月30日には言い出しっぺの大山さんは退任し、香川県議会の新しい副議長が「パブリックコメントの意見は重視していなかった」とパブリックコメントを送った人達を完全にバカにした発言。だったら最初からパブリックコメントなんて募集するなよって言いたくなります。で3つの会派が検証委員会の設置を申し入れていたようですが、新議長は「議決の時は、意見が煮詰まっておりましたし、可決された条例でありますので、これ以上の議論は必要ないと認識しております」と要請された検証委の設置を不要と突っぱねたそうな。もうやりたい放題。

個人的に思うこと

今のゲームはeスポーツだと言われる時世に、条例でネットやゲームを規制して色々な可能性を摘み取ることになるとは思わないのだろうか。香川県からはプレイヤーは勿論のこと新しく出てくるクリエイターだって減るかもしれない。 たかがゲーム、されどゲーム。 子供たちの可能性の一つを失いつつある状況に香川県民達は、危機感を覚えないだろうか。これがまかり通るのであれば、権力のある者が気に食わないものが次の標的になるかも知れない。

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